・山芋と豚肉の炒め煮 （豚肉、山芋、バルサミコ、醤油、蜂蜜）
・焼き茄子 （新生姜、ごま油ちょい）
・トマトサラダ
・ごはん


　私は手の皮が丈夫だ。だから居酒屋なんかで働いていた頃は、

「こちらの器、熱くなっておりますのでお気をつけください」
「うわ、なんだ、これ熱いじゃないですか」
「大丈夫ですか？」
「いや、熱いとは言われたけどさ。あなたが普通に素手で置いたから、熱くないのかと思ったんだ、騙された」

　というような会話も何度か交わしたことがある。
　勤務中だけでなく、メシ屋やら自販機やらで、「熱くて持てない」とか「熱くて取れない」とか言ってる人を見ると、助けてあげたりもした（特に女子）。

　そんな私でも、焼き茄子の皮は簡単に剥けない。少々てこずる。水で指先を冷やしながら、あちあち言って剥いてる。
　こんなとき、あの子たちはどうしてるんだ。「とうもろこし、熱くて持てない」とか言ってた、あの娘たちはどうしてるんだ。一生、作れないんじゃないのか、焼き茄子なんて。

　いや。そんなわけないだろ。焼き茄子は、ごくごく普通の家庭の食卓に出てくるものだ。

　もしかして女子ってのは、みんな手の皮が熱に強いんじゃないのか。本当は、あいつらぜんぜん熱くなかったんじゃないのか。ずっと私だけ騙されてきたんじゃないのか。「熱い」とか言ってるほうが可愛いと思って、あいつら嘘ついてたんじゃないのか。それで「しょーがないなあ」とか言って得意げに助ける私を見て、心の中では「こいつバカじゃねーの」とか言って笑ってたんじゃないのか。
　どうなんだ。答えろ。