映画と食べ物の備忘録
from 2009-09-09 to 2011-07-24 (maybe)
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・某店のちゃんぽん
ここの駐車場は三箇所に分かれていて、それぞれ2台ずつ停められるようになっている。今日は、その全てがいっぱいだった。
ちゃんぽんなんて、食うのにそれほど時間はかからない。近くの道をぐるりと一周したら空くのではないか。そう思って一周してみた。
二度目に見たら、手前の駐車場はいっぱいだった。真ん中もだ。車を進めて、奥の駐車場も確認してみる。いっぱいだ。うーん。そうか。とか言ってる間に、後ろから新しい車が来た。そのタイミングでたまたま1枠開いて、そこに新しい車が入ってしまった。
非常に悲しかったけれど、今度はおとなしく駐車場の脇の邪魔にならないスペースに車を止め、待つことにした。この場所からだったら、どのスペースで車が開いても確認できる。
そのうち、また新しいお客さんが出てきた。ああ一番後ろ側の駐車スペースか……と思ってエンジンをかけたら、またしても後ろから素晴らしいタイミングで新しい車がやってきた。新しい車はノーブレーキで駐車の敷地内へ入った。そして、彼はそのスペースを陣取ってしまったのだった。
私は気が弱い。とても消極的な人間だ。自分の思っていることを言えない。滅多にクレームをつけられない。ただ、「空腹」と「苛立ち」が同時に襲い掛かってきたとき、がっつりとスイッチが入ってしまうこともある。
ここの駐車場は三箇所に分かれていて、それぞれ2台ずつ停められるようになっている。今日は、その全てがいっぱいだった。
ちゃんぽんなんて、食うのにそれほど時間はかからない。近くの道をぐるりと一周したら空くのではないか。そう思って一周してみた。
二度目に見たら、手前の駐車場はいっぱいだった。真ん中もだ。車を進めて、奥の駐車場も確認してみる。いっぱいだ。うーん。そうか。とか言ってる間に、後ろから新しい車が来た。そのタイミングでたまたま1枠開いて、そこに新しい車が入ってしまった。
非常に悲しかったけれど、今度はおとなしく駐車場の脇の邪魔にならないスペースに車を止め、待つことにした。この場所からだったら、どのスペースで車が開いても確認できる。
そのうち、また新しいお客さんが出てきた。ああ一番後ろ側の駐車スペースか……と思ってエンジンをかけたら、またしても後ろから素晴らしいタイミングで新しい車がやってきた。新しい車はノーブレーキで駐車の敷地内へ入った。そして、彼はそのスペースを陣取ってしまったのだった。
私は気が弱い。とても消極的な人間だ。自分の思っていることを言えない。滅多にクレームをつけられない。ただ、「空腹」と「苛立ち」が同時に襲い掛かってきたとき、がっつりとスイッチが入ってしまうこともある。
あまりの苛立ちで目がくらんだ。呼吸が乱れて、頭が痛くて、運転席に座っていられなくなった。
私は助手席の夫に何も告げず、その場に車を停めた。車を降りると、猛スピードで走り出して店の階段を駆け上った。そしてドアを開けるなり、店中に響く声で叫んでいた。
「駐車場のシステムを、どうにかできませんか」
不思議そうな顔をした店員のおばちゃんに、私は震える声で説明をした。
「二十分前から、ちゃんぽんを食べたくて死にそうです。いまも、そこで待ってました。たまたまやってきた新しいお客さんに、二度も抜かれました。偶然なのか、悪意があったかは知りません。ただ、この駐車場は三箇所に分かれています。どこで待っていれば、順序どおりに止められるのかが分かりません。いま私は、自分でもびっくりするぐらい腹が立っています」
-----
そう。外国でもそうだった。
私は英語を話すのが苦手だ。すごく緊張する。たとえホテルのバスローブが足りなかったとしても、フロントに電話なんかしない。英語で「バスローブ持ってきてプリーズ」の一言すら言う度胸がないのだ。
しかし、モントリオールのカフェで、なかなか食事にありつけなかった私は、別人モードに突入してしまったことがある。
一度目のクレームは「私のオーダーを忘れていませんか?」と、やんわり尋ねるだけの内容だった。そのとき、店員のお兄ちゃんは「大丈夫ですよ、分かってます」というようなことを笑顔で言った。それから少し待った。そして私が二度目にクレームをつけたら、彼は面倒くさそうな態度で「分かってますよ、オーダーによって時間が違うだけです」と返事をした。
そのときの私は、びっくりするぐらい震える声で、半泣きの状態で、これまで口に出して発音したことのない単語も使って、一度もドモることなく、はっきりと怒りを表現していた。
「私はここで三十五分、モーニングセットを待っています。その間、六人の客が新しくやってきて、彼らはすでに食事を終えて帰りました。オーダーによって時間が違う? 冗談を言わないでください。私のオーダーを確認してください。そして私の二つ隣の彼を見てください。彼はさっき来たばかりなのに、私とまったく同じ組み合わせの朝食を楽しんでいるではありませんか。見えますか? パンケーキ、ワッフル、ソーセージにスクランブルエッグ、そのうえカプチーノまで同じです。これは明らかにあなたがたのミスです。本来ならば私はいまごろ、ホテルに戻って、一服して、悠々とメトロに乗ってました。喫煙者である私は、苛立ちをタバコで紛らすこともできないまま、約束の時間に遅刻することを嘆きながら、この席で、六人の客が食事を終えて店を出て行く様子をじっくりと眺めていました。お詫びは結構です。そんなものを欲してはいません。いますぐ私の朝食を作りなさい。他のオーダーを後回しにして、もっとも高いプライオリティで、ただちに私の朝食を作りなさい」
いま、これを英語で流暢に言えるかっつったら、絶対に無理だ。
私は助手席の夫に何も告げず、その場に車を停めた。車を降りると、猛スピードで走り出して店の階段を駆け上った。そしてドアを開けるなり、店中に響く声で叫んでいた。
「駐車場のシステムを、どうにかできませんか」
不思議そうな顔をした店員のおばちゃんに、私は震える声で説明をした。
「二十分前から、ちゃんぽんを食べたくて死にそうです。いまも、そこで待ってました。たまたまやってきた新しいお客さんに、二度も抜かれました。偶然なのか、悪意があったかは知りません。ただ、この駐車場は三箇所に分かれています。どこで待っていれば、順序どおりに止められるのかが分かりません。いま私は、自分でもびっくりするぐらい腹が立っています」
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そう。外国でもそうだった。
私は英語を話すのが苦手だ。すごく緊張する。たとえホテルのバスローブが足りなかったとしても、フロントに電話なんかしない。英語で「バスローブ持ってきてプリーズ」の一言すら言う度胸がないのだ。
しかし、モントリオールのカフェで、なかなか食事にありつけなかった私は、別人モードに突入してしまったことがある。
一度目のクレームは「私のオーダーを忘れていませんか?」と、やんわり尋ねるだけの内容だった。そのとき、店員のお兄ちゃんは「大丈夫ですよ、分かってます」というようなことを笑顔で言った。それから少し待った。そして私が二度目にクレームをつけたら、彼は面倒くさそうな態度で「分かってますよ、オーダーによって時間が違うだけです」と返事をした。
そのときの私は、びっくりするぐらい震える声で、半泣きの状態で、これまで口に出して発音したことのない単語も使って、一度もドモることなく、はっきりと怒りを表現していた。
「私はここで三十五分、モーニングセットを待っています。その間、六人の客が新しくやってきて、彼らはすでに食事を終えて帰りました。オーダーによって時間が違う? 冗談を言わないでください。私のオーダーを確認してください。そして私の二つ隣の彼を見てください。彼はさっき来たばかりなのに、私とまったく同じ組み合わせの朝食を楽しんでいるではありませんか。見えますか? パンケーキ、ワッフル、ソーセージにスクランブルエッグ、そのうえカプチーノまで同じです。これは明らかにあなたがたのミスです。本来ならば私はいまごろ、ホテルに戻って、一服して、悠々とメトロに乗ってました。喫煙者である私は、苛立ちをタバコで紛らすこともできないまま、約束の時間に遅刻することを嘆きながら、この席で、六人の客が食事を終えて店を出て行く様子をじっくりと眺めていました。お詫びは結構です。そんなものを欲してはいません。いますぐ私の朝食を作りなさい。他のオーダーを後回しにして、もっとも高いプライオリティで、ただちに私の朝食を作りなさい」
いま、これを英語で流暢に言えるかっつったら、絶対に無理だ。
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無題
そうですか…ちゃんぽん屋の駐車システムの改善を願います。でなきゃキレ損ってもんです。
例え怒りで頭が強烈に働いたとしても、私は英語であるはずの「プライオリティ」を日本語でしか言えないので、そねさんの怒り方をスマートに感じてしまったですよ。
自分も先日、上司の机の横へズカズカ出て行って皆の方へ向き「空のペットボトルはそのまま置いといても、どこにも行ってはくれないんですよ」とキレました。みっともなかったとしみじみ思います。
例え怒りで頭が強烈に働いたとしても、私は英語であるはずの「プライオリティ」を日本語でしか言えないので、そねさんの怒り方をスマートに感じてしまったですよ。
自分も先日、上司の机の横へズカズカ出て行って皆の方へ向き「空のペットボトルはそのまま置いといても、どこにも行ってはくれないんですよ」とキレました。みっともなかったとしみじみ思います。
Re:無題
>キレ損
いいのです。キレるだけでも少しは気が治まるのです。
ちなみにこのあとどうなったのかというと、結局、食後にテレビを見ていたお客さんがあわてて席を立ちました。
少々、申し訳ないような気もしたのですが、ラーメン屋でラーメン食ったらすぐ出ろという気持ちのほうが強かったので、そのお客さんの駐車スペースに車を停めました。たぶん、車の中で「さっきのきちがい」とか呼ばれたんじゃないかと思います。みっともないとかいう以前の問題です。死んだほうがいいのかもしれません。はい。
いいのです。キレるだけでも少しは気が治まるのです。
ちなみにこのあとどうなったのかというと、結局、食後にテレビを見ていたお客さんがあわてて席を立ちました。
少々、申し訳ないような気もしたのですが、ラーメン屋でラーメン食ったらすぐ出ろという気持ちのほうが強かったので、そのお客さんの駐車スペースに車を停めました。たぶん、車の中で「さっきのきちがい」とか呼ばれたんじゃないかと思います。みっともないとかいう以前の問題です。死んだほうがいいのかもしれません。はい。
無題
最近レストランバイトを始めた自分としては、身につまされるお話でした。幸い、ここまでやらかした事はまだありませんが。その後、そのカナダのレストランがどう対応したのか、ちょっと知りたいですが、そねさんの傷をさらにえぐってしまうことになりかねない気もします。
続きが気になる文章を書ける、って罪作りですね。
続きが気になる文章を書ける、って罪作りですね。
Re:無題
ええと、私は「注文を飛ばされる」「間違えられる」確率が、少々高いようです。友人とメシを食べてて、私のオーダーだけ忘れられたりして、「またお前か」とか言われることは多いです。はい。もしかしたら私のほうに問題があるのかもしれません。この大不況のご時勢に、いまどき、井の頭通りで三度に一度はタクシーに素通りされるような人間なので、仕方ないのかもしれません。さすがに札幌で乗車拒否は食らったことありませんが。
で、私のよく行く飲み屋のおばちゃんは、よくオーダーを間違えたり、もって来るのを忘れたりするのですが、
こちらから尋ねると、「あらあらごめんなさい、忘れてたわ」とか、「すぐ持ってきますから」とか、「他に来てないものはない?」とか言ってくれるので、ぜんぜん腹が立ちません。ずっと通い続けてます。
逆に、明らかに自分のミスだと気づいているくせに、謝らずにしらばっくれた店員のいる店へは二度と行きません。札幌で言えばカレーの「クロック」です。あとから来たお客さんに、私のチーズ入りを持っていったくせに、そしてそのお客さんが「僕はチーズ注文してませんよ」ってわざわざ言ってたのに、それでもしらばっくれました。「それ私のじゃないですか」と言っても、「違います」と言い張りました。そして厨房へ行き、「確認しましたが、出す順番は間違ってません。あなたの分はいま作ってます」と言い張りました。どうやら彼女は厨房の声が客席に聞こえないと思っていたようです。そのうえ「忙しいんですよ、いま作ってるんだから、もういいでしょう」と言いました。喰わずに帰りました。もう二年以上前の話ですが、あの店だけは絶対に許しません。ご近所なので何度か通っていたのですが、その事件以降、一度も行ってません。
ちなみにモントリオールのレストランは、そのあと二分ぐらいで持ってきました。これもですね、店員さんの態度が気に喰わなかったのです。一回目のクレームを無視しやがったのが、どうしても許せなかったのです。人間だからミスがあるのは当然だと思うのですが。空腹に弱い人間がオーダーを飛ばされ、別に間違えてませんよと言われることで、どのような精神状態に陥るのかを知らせずにはいられなかったのです。
いいです。すみません。もう言い訳しません。キチガイでいいです。逮捕でもなんでもしてください。
で、私のよく行く飲み屋のおばちゃんは、よくオーダーを間違えたり、もって来るのを忘れたりするのですが、
こちらから尋ねると、「あらあらごめんなさい、忘れてたわ」とか、「すぐ持ってきますから」とか、「他に来てないものはない?」とか言ってくれるので、ぜんぜん腹が立ちません。ずっと通い続けてます。
逆に、明らかに自分のミスだと気づいているくせに、謝らずにしらばっくれた店員のいる店へは二度と行きません。札幌で言えばカレーの「クロック」です。あとから来たお客さんに、私のチーズ入りを持っていったくせに、そしてそのお客さんが「僕はチーズ注文してませんよ」ってわざわざ言ってたのに、それでもしらばっくれました。「それ私のじゃないですか」と言っても、「違います」と言い張りました。そして厨房へ行き、「確認しましたが、出す順番は間違ってません。あなたの分はいま作ってます」と言い張りました。どうやら彼女は厨房の声が客席に聞こえないと思っていたようです。そのうえ「忙しいんですよ、いま作ってるんだから、もういいでしょう」と言いました。喰わずに帰りました。もう二年以上前の話ですが、あの店だけは絶対に許しません。ご近所なので何度か通っていたのですが、その事件以降、一度も行ってません。
ちなみにモントリオールのレストランは、そのあと二分ぐらいで持ってきました。これもですね、店員さんの態度が気に喰わなかったのです。一回目のクレームを無視しやがったのが、どうしても許せなかったのです。人間だからミスがあるのは当然だと思うのですが。空腹に弱い人間がオーダーを飛ばされ、別に間違えてませんよと言われることで、どのような精神状態に陥るのかを知らせずにはいられなかったのです。
いいです。すみません。もう言い訳しません。キチガイでいいです。逮捕でもなんでもしてください。
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HN:原そね子
自己紹介:鉤屋のそねです。ごく稀に、グレコローマンかたぎのそねと呼ばれることもあります。
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