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映画と食べ物の備忘録
from 2009-09-09 to 2011-07-24 (maybe)
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・親子丼 (鶏、ねぎ、干椎茸、三つ葉、卵、ごはん、海苔)
・大根のしっぽ漬け
・白和えっぽいサラダ (水菜、人参、すりゴマ、豆腐)



 会社の決算のときは、何枚も何枚も何枚も書類を書くことになる。

 あらゆる領収書や受注書類をまとめ、数字を計算して書き込むだけならまだしも。会社の名前、会社の住所、私の名前、私の住所、私の電話番号、そういったものを延々と、延々と何度も繰り返し書かなければならない。

 私は、こういった作業が死ぬほど苦手だ。

 サラリーマン時代は、「清算めんどくせー、どーしてもやりたくねー、死ぬほど書きたくねー、こんなん書くぐらいなら金なんかいらねー」と涙を流し、結局は一年間の交通費(14万円弱)を申請しなかったことがある。失業保険も手続きが面倒で一円も貰わなかった。そんな私にとって、会社の清算作業というのは恐ろしくつらい。

 それでも自分で蒔いた種だから仕方ない。
 出さなければ自分が損をする、というだけの話なら、もう絶対に提出しないだろうけど。「会社を作っちまった以上は書類を出せ」と言われてるもんを出さないわけにはいかない。
 だから、頑張って書類を揃える。

 ある書類は、「その1」から「その4」まで、まったく同じ内容だ。ただ、それらは提出先が違う。ぜんぶ手書きでなければならないから、何度も何度も「東京都渋谷区」「トウキョウトシブヤク」とか書く。
 なんで同じことを何度も何度も書かせるんだ、そう叫びたくなる。だけど、それぞれの提出先にとっては、自筆で書かれてあることが大事なのだろう。あちらにはあちらの事情があるのだ。それは我慢する。我慢して書く。

 しかし『法人事業概況説明書』だけは別だ。
 毎年毎年、これを書くたびに「きえええええ」と奇声を発してしまう。あまりの苛立ちに床を転がってしまう。
 この書類は、この世で最も馬鹿馬鹿しいもののひとつだと思う。

 『法人事業概況説明書』とは、どのように馬鹿馬鹿しいのか。

 これは簡単に説明すると、会社の基本情報だの、事業内容だの、月毎の売り上げだの、納税地だの取引状況だの従業員数(一人)だの電子計算機を使ってるかどうかだの、そういったものをズラズラと書かされるという、ごく普通の書類だ。そこまではいい。これの「控え」がクセモノなのだ。
 この書類には、控えがある。控えというのは本来、提出する側とされる側が同じものを共有し、確認できるように存在するものではないかと私は思っているのだけれど。
 『法人事業概況説明書』は、提出用の書類も、控えの書類も、提出者が所定の紙に書き込むことになっている。つまり全く同じ内容だけど、一枚には「提出用」と書かれていて、もう一枚には「控え」と書いてあって、この二枚はカーボン形式になってないのだ。
 つまり、会社名だの住所だの、そのフリガナだの、電話番号だの、会社の活動内容だの月ごとの売り上げだの、ぜんぶ同じことを二回、書かなければならない。
 そうやって作った「提出用」「控え」の二枚の書類に、あちらさんがハンコを押してくれる。で、私は自分の書いた「控え」を持って帰るのだ。

 なんの意味がある? これを私が書いて持ち帰ることに、なんの意味がある?

 この二枚は完全に別立てで書かれたじゃないか。
 もしも書き写しにミスがあったら、あちらが持っているものと、私が持っているものは、内容が異なってしまう。いや、チェックしてるから控えとして成立するよと言われるかもしれないけど。「控えが正しいかどうかチェックする」ってのは、発想が逆じゃないのか。そんな「控え」に、なんの意味がある? だって、提出用の書類があるよね。これコピーすりゃいいじゃん。そこにハンコ押してくれれば、ああ、控えだなと思うよ。納得して持って帰るよ。でも、自分でわざわざ書いて用意した控えにハンコ押されるのって。まったく理解できない。

 その、まったく理解できない「控え」のために、私は何度も何度も「東京都渋谷区渋谷」「トウキョウトシブヤクシブヤ」「北海道札幌市中央区」「ホッカイドウサッポロシチュウオウク」とか書くのだ。「東京」は読めるだろ? 「札幌」も読めるだろ? 少なくとも、控えを持ち帰る私は読めるぞ。そう思いながら書くのだ。

 会社の清算作業で、最も辛かったのはこれだ。もう、やらなくていいんだ。良かった。本当に良かった。

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