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映画と食べ物の備忘録
from 2009-09-09 to 2011-07-24 (maybe)
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 お久しぶりです。

 最近はPCの前に座っていられる時間が短くなりまして。そのうえツイッターが便利すぎるので、すっかりこちらのページのことを忘れておりました。
 というわけで。ツイッターに書こうとしたけど長すぎるから止めた話を、ここに書きます。はい。

---

・モントリオールで受けた移民面接での対応、およびアメリカのカナダ大使館の対応では、そりゃあもうほんっっっっとに血管が切れるんじゃないかってぐらい悔しい思いをさせられた。だけどBC州に入ってからは、人種差別的な扱いを一度も受けてない。その点の徹底っぷりは凄いと思う。【続く】

・ただ一度だけ、一度だけ、東洋人として非常に悔しい思いをしたことがある。それはBC州の住民からではなく、観光客から受けた仕打ちだった。その日の私は、かなりラフな格好(半ズボン&つっかけのナースサンダル&ビニール袋)で、自宅から一キロぐらい離れた場所を歩いていたのだった。【続く】

・とあるホテルから、一組の白人の老夫婦が出てきた。その旦那のほうが、「この辺りにグロサリーストアはないか?」と早口で私に尋ねてきた。「あ、ありますね。ええと」。私は、その近辺の地図を頭の中で必死に描きはじめた。その場所は家の近くじゃなかったから、咄嗟には思い浮かばなかったのだ。【続く】

・立ち止まって考えている私を見て、嫁のほうが言った。「あなた、無駄よ。このアジアンは、たぶん英語が分からないんだわ」。旦那が笑った。「ああ、そうか。このへんは東洋の連中がいっぱい住んでるから、こういう種類の顔でも、みんな英語が喋れるもんだと思い込んじゃってたよ」【続く】

・「だから他の人に訊きましょう」「でも、なんか住民っぽくないか」「アジア人は英語が喋れなくてもカナダに住みたがるのよ、なぜか知らないけど」「本当は喋れるんじゃないのか?」「もしも英語が話せるのなら、彼女はいまごろ怒ってるはずでしょ」「わはは、それもそうだよなあ」【続く】

・人が親切に教えてやろうとしてんのに、こいつらなに言ってんだ? 驚いた私がポカンとしてたら、嫁はクスクス笑いながら「ほら見なさい、この人、自分が何を言われてるのかも分かってないわよ」と小さく言ったのだった。明らかにカナディアンの発音と違う、ねばっこくも雑な発音で。【続く】

・あんまりにもあんまりなので、怒りも忘れて呆然としている私に、旦那は大げさなジェスチャーを交えながら、ものすごく遅いスピードで言った。「ソーリーマダム。もう結構です。よい一日をお過ごしください」。その隣では、嫁が笑いを噛み殺していた。【続く】

・そのとき私は、すぐさま目の前の老夫婦を撃ち殺して「ファッキンジャップぐらい分かるよ馬鹿野郎」と言いたかったのだけれど、それを言っても彼らには意味が分からないだろうし、元ネタも知らないだろうし、そもそも私はファッキンジャップと言われてないし、銃も所持していなかった。【続く】

・そのまま数秒間、私の意識は遠くへ飛んでいた。正直、「BROTHER」は面白いと思わなかったんだけど、紙飛行機のシーンだけは好きだったなあ。紙飛行機といえば、「あしたのジョー」の紙飛行機の演出は酷かった。そんなことを考えていた。ふと気がつくと、老夫婦は私の視界から消えていた。【続く】

・私は「アウトレイジ」の椎名桔平のエロシーンなんかを思い出しながら、とぼとぼ歩いて帰宅した。あの日のことは忘れられない。そして改めて思う。私は、いま住んでるアパートが大好きだ。ここではバラバラな国籍の人たち(私が知ってるだけで十カ国は軽く超えてる)が仲良く暮らしてる。【続く】

・フィジー出身の守衛のおじちゃんは、見た目が怖いけど陽気な人だ。管理人室の姉ちゃんたち(国籍不明)は私が帰宅するたびに笑顔で手を振ってくれる。同じ階には白人の旦那とアバヤ姿の奥さんと赤ちゃんが住んでる。喫煙スペースでよく会うスペイン人夫婦は、いまの私にとって貴重なヤニ友だ。【続く】

・ときどき朝のバスで一緒になるカナディアンのおじちゃんは、私を見るたびに「また会えたー!」と言って両手をぶんぶん振る。そして職場近くのバス停に着くまでの間、私の隣に座って「○○おじさんの英会話教室」を勝手に始めてくれる。そういうアパートメントに、いま住んでる。【続く】

・みんな仲良しなんて嘘くさい、理想は理想でしかない、と考える人もいるだろうけど。「場合によっちゃ、できんじゃねえの?」と、いまの私は思ってる。【続く】

・少なくとも「○○人の隣にだけは住みたくないよなあ」とか考えてる人は、ここにいない。なにしろ賃貸専用で短期滞在者の多いアパートだから、人の出入りが激しい。お隣さんがどんな人種の、どんな宗教の人になるのか全く分からない。選べない。それを面白がれない人は、苦痛で住めないはずだ。【続く】

・できればずっと、この部屋に住みつづけたいとさえ思ってる。でもダウンタウンは家賃がお高いから、たぶん私たちも半年後には郊外のほうへ移ることになるだろう。ちょっと残念だ。

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