・退職祝い。「開」で生牡蠣を喰らう。

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　まあ、あなたもね。大変なんでしょう。分かりますよ。
　でもね。どうせバレるんですから。ここいらで認めちゃったらどうなんですかね。私はこっちの仕事のために雇われたんでしょ。それで引っ込みつかなくなったと。いやいや、謝らなくていいのですよ。謝らなくていいんです。そんな顔しないで。みんな見てますから。あなたがそんな顔をすると、あっちのアルバイトさんたちが不安になっちゃうでしょ。
　もう、だいたいの業務の流れは分かりましたから。こっち側の仕事についてはね、うん。引継ぎね、無理なんでしょ。私がやりますよ。今日の四時ぐらいに引継ぎ開始でどうですか。いやいや大丈夫。ぜんぶメモ取ってますから。これまでのパターンぜんぶ書いてますから。ええ。実はね。空き時間で引継ぎ用の資料は作ってたんです。いつでも辞められるようにしてあるんです。ええ、PC使えなかったから、手書きメモの貼り合わせ資料で申し訳ないですけどね、これコピーさせてくれれば、一時間半ぐらいで研修できますよ。実際に仕事してもらうところまでは見守りますからね。いや、ありがとうじゃなくて。うん。ありがとうじゃなくてね。


　うんと穏やかに説得してみたら、ようやく話が通りました。
　さっぱりした気分なので、愚痴は消しておくことにしました。はい。